Published: April 2022
https://www.oreilly.com/library/view/learning-modern-linux/9781098108939/
洋書。2023年4月7日に和訳が出るそうです。 一部訳した本の宣伝: 「入門モダンLinux」 - 覚書
どんな本?
主に開発者などの専門職の人を対象に、よりうまくLinuxを使うための知識やハンズオンガイドが提供されています。
Linuxのアーキテクチャから始まり、プロセスやメモリなどのリソース管理、ネットワーク、ファイルシステムなどのカーネルに関する概略がわかりやすく説明されていました。もちろん「使う」ためのガイドもあり、シェルやパッケージ管理、アクセス制御など広くカバーされています。
Linuxの入門書では珍しく(?)、Observabilityに関して一つの章が割かれていたことも印象的でした。
”Modern” とは?
文中で明言はされていませんでしたが、読んだ感想としてはおそらく「近年のインフラや環境で実行されている」のような意味と思われます。
Linuxは歴史のあるOSで、進化し続けています。そのため、古くなってしまって置き換わりが発生する仕組みもあるようです。例えば find + grep の「Modern」な代替として rg が紹介されていたり、コンテナ環境での不変性に重きがおかれたディストリビューションが紹介されていたりしました。
豊富なハンズオン
Linuxの解説なのでコマンドが多数紹介されているのですが、それと同時に実際に使って動きを確認できるよう、コマンドサンプルも載せてあります。コンテナの解説時にはDockerfileやビルドコマンドも載せてあるため、そのまま動かすことができました。
また、ScriptingやAccess Controlの章では(Bestではなく)Good Practicesも紹介されており、よりうまく使うことのできる道が示されているところも良かったです。コマンドを使ったレシピ集という付録があるのも助かりますね。
さいごに
本書はカバーしている範囲が広いため、各トピックの内容は概略的なものに留まっています。しかし各章の最後には「もっと深く知るには」とリソースの紹介がされており、深堀りする道も用意されているところがとても良いと思いました。
これからLinuxを学習する方はもちろん、最近の事情には疎いなぁと思っている方にもオススメしたい本です。