発刊: 2020-03-24
どんな本?
Webサービスを提供するシステムを前提として、監視の基本的な考えから導入〜運用〜改善まで網羅的にカバーされている本です。
著者の経験から述べられた記述は説得力があり、特に「Chapter 6 インシデント対応実践編」は実際の対応時の手順などまで細かく解説されていました。
基礎について
全体を通して、まずは概念の説明から始まり次に語彙の説明へと繋がります。この語彙の説明がとても丁寧で好感を覚えました。
ただし基礎ばかりかというとそうでもなく、実際に運用業務に携わる人でもうっかり見過ごしがちな点についても言及があります。(メトリクスの欠損値や解像度、ログのローテーションなど。)
定番について
監視に対する考え方が書いてあるだけではなく、監視システムを構築する上で定番の構成やメトリクスも記載されており、いったんはそれに倣って開始できるのも嬉しいポイントです。
それぞれについての深い知識は別の本で学習が必要かとは思いますが、前述の通り語彙の説明が豊富なので、次の本を探す際のキーワードには困らないでしょう。
さいごに
本書は、対象読者として「これからシステムの監視や運用改善に取り組むWebエンジニア」と書いてある通り、まず基本を抑えるのに最適な本だと感じました。
システム監視の担当になったけれども何から始めれば良いかわからない、といった方にオススメしたい本です。