Published: November 2020
https://www.oreilly.com/library/view/retrospectives-antipatterns/9780136819844/
洋書。2023年3月現在、和訳は出ていないと思います。
どんな本?
タイトルの通り、ふりかえりのアンチパターン集です。ただ、ファシリテーターの立場から見て書かれているため、ふりかえりに限らず多くの会議体に適用できる内容となっています。
筆者はアジャイルコーチ/コンサルタントとして活動されていて、十数年間ファシリテーションを行ってきました。各章の最後にはその体験談が綴られています。
具体的で実践的
本書で紹介されているのはアンチパターンです。パターンなので形式があり、どういう状況なのか・それが招く結果・間違った解決策・改善された解決策、などが各パターンに記載されています。
中でも特徴的なのが「オンラインではどうするか」で、今では当たり前となったオンラインでのふりかえりについて解説されていて、非常に実践的だと感じました。
タコについて
表紙にタコが描かれていて、各章の冒頭にも様々なタコのイラストが出てきます。ではタコがふりかえりと何か関係があるのでしょうか?
実はタコには以下のような特徴があります。
タコは他のタコの行動を見て学習することができる
タコは脳の60%が8本の足にあり、それぞれ独自に動きながら全体として機能している
この特徴から、ふりかえりでファシリテーターがいるチームはタコのようだと筆者は見ていたようです。
さいごに
各章のストーリーがとてもリアルで、自分が体験したことのあるものも多かったです。そのときに自分のとった行動がまさにアンチパターンそのものだったりして、苦々しい思いと共に「次はもっとうまくやれる」という気持ちも生まれました。
自分の経験をふりかえるという意味ではファシリテーションをすることが多い方にオススメです。もちろん、これからファシリテーター経験を積む方はアンチパターンの先取りができるでしょう。それぞれに有用だと思いますので、ぜひお手に取ってみてください。