発刊: 2023-05-18
どんな本?
学習塾を経営する著者が、生徒である学生ではなくその保護者に向けて伝えたいことを書いた本、とのことです。
書籍のタイトルである「成績トップの子の親」とは、「学年順位上位5%」もしくは「模試の偏差値65以上」の保護者のことで、140名の方がアンケートに協力してくださっています。その結果を裏付けとして、中学生の保護者がどのように行動すれば良いのかが論じられています。
アンチパターンが分かる
「はじめに」にて、本書は
中学生の子をもつすべての家庭にとって、記述のどこかが必ず役に立つ
本であると書かれています。
家庭の状況は様々なので共通の成功方法など存在しないわけですが、失敗には共通のパターンがあります。筆者の指導経験と保護者へのアンケートからそういったアンチパターンを知れることが、本書の特徴だと感じました。
もう少し具体的な例だと、生活リズムを整えるのが重要なことはなんとなく想像していても、「○○時までに寝るべき」まで落とし込めていない家庭はあると思います。この例では暗に「○○時以降まで起きているとパフォーマンスが出せない」ことがわかる、という具合ですね。
家庭の声が聞ける
いくつかのトピックでは「家庭の声」としてアンケート結果が掲載されています。また、第6章では寄せられた質問への回答も掲載されています。これらを読むと、成績上位の家庭でも苦労されていることがわかり、失礼ながら少し安心してしまう自分がいました。みなさん大変な思いをしながら頑張っているのだなと。
私は子の勉強などで相談できるような知り合いがいないため、こういった情報はとても助かりました。紹介されていた勉強情報の収集におすすめのリンク集も活用したいと思います。
最後に
アンケート結果についての感想ばかりになりましたが、本書で一番多くの紙面を割かれているのは「子どもの学習をどうサポートするか」についてです。ここもとても参考になったのですが、具体的な内容はぜひ書籍を読んでみてください。
また、本書では「子どもへの学習サポートは期限付きである」と繰り返し述べられています。共依存にならないよう注意しつつ、子どもが自立できるよう意識しながらサポートしようと気持ちを新たにできました。